傷つけられた愛車

大の車好きの友人。稼ぎが多いわけではなく、全てを車のためにつぎ込んでいるので、他の贅沢は一切していない。今まで何度も車を買い換えてきたが、ついに念願の高級外車を手に入れたそうだ。

長年の夢だった車を手に入れた友人は、仕事に行く前には眺め、帰ってきたら部屋に帰らずドライブ、毎週末洗車をして、それはそれは大切にしていると聞いていた。

いつものように、朝仕事に行く前に車を見に行くと、なんと大きな凹みと傷ができていたそうだ。その日はショックのあまり仕事も休み、犯人探しをしたそうだ。大規模マンションの為、丸々一日かかって、ようやく怪しい傷と塗料のついた車を見つけ、管理人さんに言って、車の持ち主の部屋番号を聞いて、部屋を訪ねたそうだ。心当たりはないか訪ねたが、まったく認めないどころか、逆切れして「あれは昔からある傷だ。そんなに言うのなら、俺がぶつけたという証拠を出せ!」と言われ、言い争いになってしまったそうだ。

ここで引き下がる気にもなれず、友人は証拠の為に、相手の車の傷の写真と、自分の車の傷の写真を撮り、弁護士に依頼し徹底的に争うことになったそうだ。お金が欲しいのではなく、大事な車に傷をつけておいて、謝らない加害者が許せないそうだ。