被害者からの請求

母親から、自分もよく知っている近所の酒屋のおじいちゃんが交通事故を起こしたと聞いた。最初はおじいちゃんが交通事故に遭ってしまったのかと思ったが、よく話を聞いたらおじいちゃんは加害者側だったそうだ。配達中の事故だったらしい。怪我はないそうだが、おじいちゃんがとても心配になった。気になったので久しぶりにおじいちゃんの酒屋をのぞいてみると、こちらに気がついたもののかなり元気のなさそうな顔をして「ひさしぶりだな」と声をかけてきた。「交通事故を起こしてしまったんだって?大丈夫だった?」と聞いたら「実はそれが少しややこしいことになってしまって、どうしていいのかわからなくなっているんだ」と言っていた。どうやらおじいちゃんは任意保険に入っていなかったそうだ。相手の家に謝罪に行ったら、多額の車の修理代と治療費を請求されてしまったのだとか。それでも事故をおこしてしまったのだから、何とかしますと言って帰ってきたそうだ。おじいちゃんに金額を聞いたら、とんでもない金額だった。修理代も治療ももそこまでかかっていないはずなのだ。おじいちゃんに「その金額はおかしいから、専門家に相談して交渉を任せた方がいい」とアドバイスをしてきた。おじいちゃんは古くからのお客さんに弁護士がいるらしいので、その人に相談してみると言っていた。被害者とはいえ、高齢者だと思って、高額な賠償金を請求するとは許せないと思った。