思わぬ相続人

数年前、同居していた友人の祖父が亡くなったそうだ。祖母も既に他界していたので、一人っ子である父親が財産を全て相続したそうだ。財産は住んでいた家と数千万円の貯金。友人は結婚が決まっていたので、住んでいた家を取り壊し、祖父の財産を使って2世帯住宅を建てたそうだ。現在は孫も産まれ、友人家族と両親で暮らしていた。

ところが最近になって、祖父の子供であるという男性が現れたそうだ。どうやら祖父は祖母と結婚前に、クラブのホステスと一夜を共にし、そのときにできた子供だと言うのだ。祖父は男性を認知していた。その男性は最近事業に失敗し借金を抱え返済に困り、一度もあったことのない祖父を探し当て、お金を工面してもらおうとしたが、調べたら亡くなっていることがわかったそうだ。「自分には財産を貰う権利がある。しかし一度も会ったことのないし、亡くなってから時間がたっているので半分よこせとは言わない。4分の1でいいから財産を分けてほしい」と言ってきたそうだ。しかし、2世帯住居を建ててしまった友人宅には、祖父の財産は全て使いはたしてしまった上に、ローンまで抱えている。とてもその男性に財産を渡せる余裕はないそうだ。男性と話し合いをしたが、折り合いはつかず、今後弁護士を交えて話し合うことになったそうだ。