生前贈与

友人女性は弟との二人姉弟。女性は父親と一緒に住み、半身不随の父親の介護を続けていた。弟は30を過ぎているのに定職につかず、普段は殆ど家にくることはなかったが、たまに家に来るときは酒に酔いながら「金をよこせ」と怒鳴りこんでくるらしい。父親には財産は自宅しかなかったが、弟には一切財産を残したくないと思うようになり、一日でも早く娘に財産を渡したいと、自宅を女性に生前贈与したそうだ。

しかし、生前贈与した9ヶ月後、父親は亡くなった。父親が亡くなっても弟はとくに悲しむわけでもなく「財産をよこせ」と言うだけだった。女性は「財産はこの家だけしかないし、この家は生前贈与で私のものになっているのよ」と言ったら弟は「こんな家燃やしてやる」と怒り狂って出て行ったそうだ。そして後日家にあらわれ「生前贈与して一年以内におやじが亡くなったから、俺は遺留分を請求できる。家はおまえにやるから、俺の分の金をよこせ」と言ってきたそうだ。しかし弟は父の生前に父からかなりのお金を奪ったのだ。それが特別受益分となる可能性もあるので、女性は現在弁護士に相談しているそうだ。