叔父の相続

職場のアルバイトのおばさんと最近話をすることが多くなった。というか主におばさんの愚痴を聞いてあげているのだが。旦那の愚痴や娘の愚痴ご近所さんの愚痴と本当によくもまぁそんなに愚痴ことがあると感心するほど愚痴が多いのだ。昨日の愚痴はおばさんの叔父のことだった。叔父は結婚しておらずもちろん子供もいなかったので、おばさんは小さいころから叔父にとても可愛がられてそだったそうだ。叔父に「財産はぜんぶあげるからね」と言われていたそうだ。おばさんは年を取った叔父の身の回りの世話をしていたそうだ。部屋の掃除や買い物、病院の送り迎えなど、実の親のように世話をしたそうで、もちろん自分の家のこともしなければならず忙しくて目の回るような日々だったとか。おばさんは昔お世話になったことの恩を返したくてお世話をしていたので、財産目当てではなかったのだが、でも少しだけ財産のことは期待していたそうだ。その叔父が一年前亡くなったそうなのだが、蓋を開けてみれば財産なんてとんでもない話で、実は借金しかなかったそうなのだ。むかしから「財産はきみに」と言われ続けていたので、どれだけあるのだろうか期待していたのに。おばさんはかなりがっかりしたそうだ。おばさんは「財産が入ってたら、ここでアルバイトなんてしてなかったわね」と笑っていた。