妹の結婚相手

オレの妹は20歳の時に、パチンコ屋の店員とできちゃた婚をした。結婚して子供が生まれるまでは、幸せな結婚生活を送っていたが、子供が生まれてから、相手の男の態度がだんだんおかしくなっていった。本性を現したというべきか。
ある日、パチンコ屋で客とケンカになり客を殴って怪我を負わせ、仕事はクビになった。子供が生まれたばかりで、まだ働きに出られない妹は、何度も働くように頼んだが、仕事を見つけることもせずブラブラとしていた。パチンコや競馬に興じ、一向に働く気配がない。妹の貯金もだんだん底をつき、とうとう妹はオレにお金を貸して欲しいと泣きついてきた。男は仕事もせず生活費を入れないばかりか、「赤ん坊の泣き声がうるさい」と家に帰ってこないようになったという。オレは激怒し、男を呼び出し、今の態度を改めないと妹と離婚させるといった。男は絶対に別れないと逆切れし、話し合いにならなかった。
ろくでもない男にひっかかったのは妹の責任だが、あまりにも妹と生まれた子供が不憫で、妹に離婚を勧めた。協議離婚は無理そうなので、家庭裁判所に離婚調停の申し立てをした。念のため、事前に弁護士に離婚が認められるかの相談もした。相手の男の態度は「悪意の遺棄」「婚姻を継続しがたい事由」にあたるので、離婚は認められるとのことだった。結局、裁判所からの呼び出し状を見て、「こんなめんどくせぇことやってられるか。」と離婚に応じた。妹は実家に戻り、毎日育児と家事で忙しそうだが、昔の笑顔が戻っていた。