夫の遺産相続

近くの中華屋の老夫婦は、遠方からもわざわざお客さんがやってくるほどの人気のお店。自分も週に一度は必ず通っていて、すっかり常連になり、老夫婦とも話をするようになった。ある日、お店に行ってみるとシャッターが閉まっていて「都合によりしばらくの間お休みします」と書いてあった。何かあったのか心配になっていたら、駅で中華屋の奥さんの方に会ったので事情を聞いてみたら、ご主人が心筋梗塞で倒れてしまったのだとか。現在も意識がなく多分もうダメだと思う。子供もいないから、あのお店はたたまなくちゃいけないわ・・・今までありがとうね。と涙を流しながら話してくれた。
その数日後、店のシャッターに「閉店することになりました。長い間お世話になりました」と書いてあり、ご主人が亡くなったことがわかった。
後日たまたま店の片づけをしていた奥さんがいたので、残念でしたね・・・と声をかけた。片づけを手伝いながら奥さんと話をしていたら、相続のことでトラブルになっていると言っていた。二人には子供がいないくて、またご主人の兄も高いしているので、奥さんが全て相続できるものだと思っていたら、ご主人の兄には子供がいて、その子供も法定相続人になってしまうのだそうだ。実は奥さんはその姪に会ったことがなかったのだが、姪の方から「相続人です」と言ってきたのだとか。奥さんは老後1人で生活していくのにギリギリなのだと説明したが「法定相続人なのに財産が受け取れないのはおかしい」と言っているそうです。「まさか自分が相続トラブルになるとは思いもしなかったわ」と嘆いていた。